『木について』の説明書

西粟倉のようびさんからヒノキの筆箱が届きました。包みを開けるとヒノキの香りが広がりました。みごとな匠の結集です。少しスライドしてスッ、パコンと空き、カコッ、クッっとフタがしまります。

フタをあける瞬間は、いつも、これからはじまるイロイロにパンドラの箱がかさなります。パンドラの箱の底には必ず『希望』があるといいますから、私は、この筆箱は、机の上に飾らずに、一緒に旅をしようと想います。本体とフタはひとつの木でできているので合わせると年輪がかさなり、とても美しく、いくら見ててもあきません。年輪の数を数えてみると15年くらい。奇しくも、起業して15年目のご褒美となりました。我が家に来てくれたのは15年分だけど、もっともっとたくさんの歳月を、このヒノキは西粟倉で過ごしてたんだと想うと、遥々、東京まで来てくれてありがたい気持ちになりました。

同封の説明書に、このように記されていました。『「木について」木は呼吸をしています。四季の変化によって伸び縮み致します。「板」は木に反ると書くように反りが出ます。これは、無垢の木の特徴でもあります。反りが出ないように職人が1本1本、木の反りを抑えるように刻んでいますが、お客様の土地に対応するように木は呼吸をして若干の動きを致しますので、その際は、下記のようにお手入れくださいませ。』その下に、お手入れ方法が、とてもていねいに掲載されています。